協力企業様へのコアジサシ説明会実施!
- 11月10日
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11月10日(月)、当会ではNPO法人リトルターン・プロジェクト理事の松村雅行さんをお招きし、協力企業さま向けの説明会を開催しました。
社員の方が約30名もご参加になりました。
まず冒頭に、2023年から継続してご協力いただいていること、そしてその取り組みが地域の自然保護への関心の高まりにもつながっていることに、感謝と敬意の気持ちを込めて、当会から感謝状をお渡ししました。
続いて、松村さんからご講話をいただきました。
長年コアジサシの保護に携わってこられた方ならではの、現場でないと見られない細かな行動の観察や、ヒナの愛らしい様子、そして一方で自然界が持つ厳しさについて、わかりやすく話してくださいました。たくさんの動画も上映してくださり、コアジサシのユーモラスなしぐさに会場からは何度も笑い声があがりました。
お話の全体を通して「まずはコアジサシという鳥を好きになってもらうことが大事」という思いが伝わってくる、あたたかい内容でした。
終盤では、「コアジサシは青空が一番似合う鳥だと思っています。しかし、開発などの影響で繁殖できる場所が減って数も少なくなっている。だからこそ、この姿がいつまでも見られるように願ってやみません」との言葉で締めくくられ、松村さんご自身も少し目を潤ませておられました。保全活動を続けてこられた方の実感のこもった言葉として、参加者のみなさまにも深く届いたように感じました。
当会からは、今年上手く行かなかった繁殖の状況を振り返りながら、来季に向けて考えられる課題と対策についてお話ししました。とくに天敵の存在―主にはネコ、カラス、ハヤブサなど―が繁殖の成否に影響している点について触れ、考えられる防除について検討している内容をお伝えしました。
また、現在、県立玉島高校のSDGsアンバサダーの方と一緒に進めている啓発活動についても紹介し、地域ぐるみで「玉島にコアジサシが子育てに来ている」という認知を広げていきたいという思いをお伝えしました。
質疑応答では、「今年危ない思い(天敵の襲来)をしたのに、来年も同じ場所に戻ってくるのか」「営巣地の除草について」「シェルターの設置は必要か、設置するならいつが適切か」といった、いずれも来季を見据えた前向きな質問を多数いただきました。
コアジサシに関心を持ってくださっているからこその具体的なご質問ばかりで、私たちとしてもたいへん励みになりました。
説明会終了後には、松村さんに実際の営巣地を視察いただきました。
「十分な広さがあり、草地と水場のバランスもよく、とてもいい環境だ」と評価してくださり、「こうした場所が長く継続して残されることが、コアジサシの繁殖を守ることにつながる」とのお言葉もいただきました。
一方で、1か所の営巣地に頼らざるを得ないこと、そこで天敵の襲来などがあると再チャレンジが難しい現状。
そして実質的に1社だけがコアジサシの厳しい状況を理解して手を差し伸べてくださっている現状には疑問も感じています。
本来は、岡山県の絶滅ランク最上位のコアジサシについて、もっと多くの企業や自治体にも、この取り組みを「自分ごと」として一緒に進めてもらえたら、コアジサシにとっても、地域にとっても、より公正で持続的な保全体制になるはずです。
今回の説明会をきっかけに、また当会でも啓発の輪を広げていき、協働がさらに広がることを願っています。
このことは、コアジサシのことだけにとどまらず、海の環境、陸の環境の豊かさにもつながっていることで、本来、関係のない人などいないことなのです。
今回の学びと気づきを踏まえ、今後もNPO法人リトルターン・プロジェクトの皆さまをはじめ、関係各所と連絡を取り合いながら、青空の似合うコアジサシの姿を岡山県でもずっと、ずっと先の世代まで見ていけるように取り組みを進めていきたいと思います。
ご参加くださった協力企業のみなさま、そして丁寧にお話しくださった松村さん、本当にありがとうございました。
また来年の夏にコアジサシのキリッ、キリ!という声とともにみなさんにお会いできますように。





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