2025年 コアジサシその後・・・
- 8月2日
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6/3を最後に姿を消したコアジサシでしたが、
その後10日ほどしてまた玉島沖に戻ってきていました。
周辺に子育てできそうな場所を探しに出たのでしょうが、よいところがなく・・・
仕方なく戻ってきたのではないでしょうか。
6/17には60羽ほどが周辺を飛んでいて、クロハラアジサシの姿もありました。
コアジサシは昨年デコイを置いて誘引したあたりの草むらの間に降りていく様子が1kmほど離れた場所からフィールドスコープで確認できました。
工事の影響がないか、営巣していれば保護を、と水島港湾事務所へ連絡し、
6/26に現地立ち合いのうえ確認させていただきました。
雑草がかなり旺盛でしたが、砂地もまだ残っており、コアジサシはその砂地に降りていました。数羽がしばらくたたずんでは飛び上がる、ということを繰り返していました。
水没しているため立ち入り調査はできないということで、実際営巣しているのか、
何が影響してたびたび飛び上がっているのかはわかりませんでした。
この日は最大20羽ほど。
日に日に数は減っていき、最終確認は7/6となり、それ以降本日まで姿も声もなくなりました。8月に入ったので繁殖に戻ってくることはもうないと思います。
もしどこか近くで繁殖していれば、お盆前後に幼鳥が姿を見せてくれるかもしれません
が・・

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さて、当会と友好関係にある「NPO法人 ふくおか湿地保全研究会」が保護活動をされている、福岡市東区西戸崎の海岸では5年ぶりにコアジサシの子育てが成功したと毎日新聞の記事になっていました。<下記をクリックすると記事に飛びます。>
記事にあるように、福岡では、市民団体のNPO法人 ふくおか湿地保全研究会と福岡市港湾局、周辺の自治会が協働して海岸のロープ張りなどの作業を行っています。
コアジサシは福岡県レッドデータブックでも絶滅危惧ⅠB類に指定されています。
行政も市民も、地域の財産でもある野生動植物を絶滅させたくないと真剣に取り組んでいるからこそ実った5年ぶりの巣立ちだったといえます。
しかも、この猛暑の中、福岡市港湾局の職員の方々は率先して海岸のくい打ちを行っていらっしゃったそうです。本当に頭が下がります。
コアジサシは繁殖がうまくいって、翌年もよい環境が残っていればまた戻ってくることがわかっています。今年のこの取り組みが来年以降の命につながってくる、本当に尊い活動です。
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しかしこの猛暑。
ぼちぼちと渡ってきているシギやチドリにもなんらかの影響があるでしょう。
これから渡ってくる幼鳥は今年どうなるでしょう・・。
この暑さだと、小さな彼らには、ほんの少しの干潟や砂浜、埋め立て地などが切実な命綱となることと思います。
当会では引き続きモニタリングを続けていきます。
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