倉敷市立黒崎中学校で「玉島の海辺と渡り鳥」をテーマに授業を行いました
- 7月7日
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7月7日、倉敷市立黒崎中学校の3年生のみなさんを対象に、玉島の海辺の環境と渡り鳥について、2時間の授業を行いました。
玉島の特徴ある環境とは?
今回の授業では、身近な玉島の海辺にどのような環境があり、そこにどのような生きものが暮らしているのかを知ることから始めました。
まずはみんなに玉島にある特徴的な環境について質問しました。
祭りや自然が豊か、動物がいっぱい、などの意見が出てきました。
私からは、干潟や浅い海、砂浜、葦原など、多様な環境があることから、「川と海が出会う場所」という視点を伝え、こうした場所は、魚や貝、カニなどの生きものだけでなく、遠く離れた国々を行き来する渡り鳥にとっても、大切な休息場所や採餌場所になっていることを解説しました。
渡り鳥を見分ける「識別」に挑戦
鳥を見分けるときには、体の大きさや形だけでなく、くちばし、脚、羽の模様、鳴き声、動き方など、さまざまな特徴を観察することを解説しました。
写真を使って、干潟の風景の中から鳥を探したり、よく似たダイゼンとムナグロの違いを考えたりしながら、野鳥観察の基本となる「識別」を体験してもらいました。
一見何もいないように見える干潟にも、よく見ると周囲の色に溶け込んだ鳥たちがいること、注意深く観察することによって、これまで見えていなかった生きものの存在に気づくことができると説明しました。
「たましま未来会議」で考える、開発と自然環境
後半は、「たましま未来会議」と題した、短時間の合意形成をゲーム的に体験してもらいました。
ある場所でショッピングモールができる!という話が進むなか、絶滅危惧種のコアジサシが繁殖していることが分かったら、どうすればよいか、というものです。
生徒のみなさんには、企業/行政/地域住民/自然保護団体、という異なる4つの立場に、それぞれなり切ってもらい、違う立場から意見を出し合ってもらいました。
その後、スムーズに授業を進めるため、あらかじめこちらで提示するプランを選択する形で合意形成を進めてもらいました。プランは以下の3つ。
A.開発を予定どおり進めるプラン
B.計画を白紙にして自然を守るプラン
C.開発と保全を両立できる方法を探すプラン
どれか一つだけが簡単な正解になるわけではないことを伝えます。
経済や暮らし、地域の安全、自然環境など、それぞれの立場で大切にしているものが異なるため、それぞれの立場の意見をよく聞くことが大切と説明しました。
まず自分の立場で考え、その後、班のなかで意見を出し合い、全員が納得できる方法を探してもらいました。
結果、3班に分かれた中でAが2班、Bが1班となりました。
今回の話し合いでは、開発を優先する意見と、自然環境を守ることを優先する意見に分かれました。
SDGsや環境問題について学ぶ機会が増えている世代であっても、実際に経済や利便性と自然環境が対立する場面では、知識だけで判断することは簡単ではありません。
立場を与えられることで、何を優先するかも大きく変わります。
いずれのプランを選択してもメリット・デメリットはあるという説明をしたのですが、引っかかったのは両立することで開発に「時間がかかる」ということだったようです。
環境について「知っている」ことと、自分たちの暮らしや地域の問題として考え、異なる意見を調整しながら選択することの間には、まだ距離があります。
だからこそ、地域の実際の環境や課題を題材に、立場の違いを知り、対話しながら考える出前授業や探究学習が大切なのだと、私たち自身も改めて感じました。
<振り返りに寄せられた感想から、一部を読みやすく整えてご紹介します>
◇「一種類の鳥でも、住む場所や環境、渡ってくる理由など、さまざまなことを知ることが
できた」
◇「日本に渡ってくる鳥が減っていることを知り、今後どのような行動をすればよいか考え
るきっかけになった」
◇「自分たちだけではなく、動物にとっても暮らしやすい環境を考えることが必要だと思っ
た」
◇「一つの立場だけでなく、複数の立場から考えることが大切だと思った」
◇「生態系に手を加えると、思ってもいなかった場所へ影響がつながることを知った」
今回の授業が、玉島の海辺や、そこを利用する渡り鳥に目を向けることとともに、異なる立場の意見を聞きながら、地域の未来を考えるきっかけになればうれしく思います。
授業の機会をくださった黒崎中学校の先生方、そして熱心に参加してくださった生徒のみなさん、ありがとうございました。


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